最近「静かな退職」という言葉を聞くけど、これって何かな?
「静かな退職」と言っても、会社を辞めることではなさそう。しかも、若い人が言っているみたいだし
「静かな退職」とは
静かな退職とは、従業員が企業に所属しながらも、必要最低限の業務だけをこなし、仕事に対してやりがいや自己実現を求めない働き方を指します。この概念は、米国を中心に注目を集めており、仕事とプライベートの境界を明確に引き、ワークライフバランスを重視する働き方として認識されています。
ワークライフバランスとは
ワークライフバランスとは、仕事と私生活の調和を目指す考え方です。これは、仕事の時間とエネルギー、家庭や趣味、健康などのプライベートな時間とエネルギーをバランスよく調整し、人生全体の充実感や満足感を得ることを目指します。
ワークライフバランスと静かな退職
日本の企業がこの「静かな退職」を目指しているわけではありませんが、従業員が自身のワークライフバランスを守るためにこのような働き方を選択することは、企業文化に大きな影響を与えています。
つまり企業は、自分の生活を大事にしたいという従業員の希望を無視して、会社の収益のために働け!と言えない環境になってきています。
「静かな退職」の背景
静かな退職の背景には、働き方の多様化や働くことに対する価値観の変化、従業員エンゲージメントの低下などがあります。特にコロナ禍を経験した社会では、リモートワークの普及や終身雇用の崩壊などが影響を与えています。これらの変化は、従業員が自身のキャリアや生活の質を見直すきっかけとなり、仕事を単なる収入源として捉え、プライベートの時間をより重視する傾向につながっています。
仕事のために生きない「静かな退職」
日本においても、静かな退職は徐々に共感を得ている考え方であり、特にZ世代を中心に広がっているとされます。これは、従来の「仕事のために生きる」という価値観に反対するムーブメントとして、若い世代によって支持されています。日本の労働環境においても、業務指示が不明確であったり、人事評価の基準があいまいであったりすることが、静かな退職を促進する要因となっている可能性があります。
「静かな退職」は生産性低下の危惧
静かな退職は、企業にとっても重要なシグナルとなり得ます。従業員が最低限の業務しかこなさなくなることは、職場のエンゲージメントや生産性に影響を与えるため、企業はこの動きに注意を払い、従業員のモチベーションや職場の環境を改善するための対策を講じる必要があります。静かな退職の兆候としては、新たなことに挑戦しない姿勢や、コミュニケーションの消極性、他のメンバーの業務量の増加などが挙げられます。
社員のエンゲージメントの上昇で「静かな退職」を回避
昔と今とでは、働く意味や会社に所属する意味が大きく変わっていると言えます。高度経済成長では、頑張れば頑張るほど会社に収益が上がり給料も増えていくといいうシンプルな構造があったかと思いますが、今では複雑な業務の中で、予定していない仕事を任されたり、昔と同じように社員を使っている上司がいたり、社員が安心して仕事をする環境や組織構造が出来ていなかったりしつつ、その職場環境が自分に合わないとなると、若い人の場合は簡単に転職できたりします。
社員がこの企業で、安心して働くための目指すべきものや、環境や組織をどうするかが課題になってくるのではと思います。その課題解決を通じて、社員のエンゲージメントが上昇し、静かな退職を目指す人が減ってくるのではないでしょうか。
まとめ
「最近の若い人は・・・」といって詰っていても、何も始まりません。むしろ、若い人や息苦しさを感じている人に寄り添って、環境設計や組織設計をするのは経営の責任かと思います。静かな退職の増加は、経営が問われている証拠とも言えます。これは、組織が従業員のニーズに応え、彼らが求めるバランスと成長を提供できているかどうかを反映しています。企業がこれらの課題にどのように対応するかが、今後の成功を左右することになるでしょう。
仕事に息苦しさを感じた時には、まずは同じ業界のほかの会社を調べるためにも、転職エージェントに相談してみましょう。