社員の連鎖退職で、このままだと会社が崩壊してしまうのでは
連鎖退職は、企業が利益を出していても、労務倒産させてしまう可能性を秘めています。人材の流動性が高くなっている現在、引きおこる可能性のある「連鎖退職」はどのようなもので、どういう問題を引き起こす可能性があるのでしょうか?
連鎖退職とは
連鎖退職とは、社員が一人退職することをきっかけにして、他の人まで次々と退職してしまうことをいいます。特に、エース級の社員や、将来有望な管理職が退職してしまうと、会社に不安を感じたり失望してしまったりして、連鎖退職を引き起こすことがあります。
また、大企業では、同期同士の横のつながりが強い場合には、1人の退職が上手くいって、自分のやりたい仕事や、高い待遇であることを知ってしまうことがあります。そうすると、転職へのハードルが下がり連鎖退職を引き起こす場合があります。
大企業でも連鎖退職が止まらない
連鎖退職は、社員が少ない中小企業だけではなく、入社するのも難しい難関企業でも起こる可能性があります。難関企業には、優秀な人材が多く集まるため、その人材は同業他社からも狙われがちなので、さらに希望の仕事ができずに、他の会社だと希望の仕事ができるのであれば、転職を厭わないことが多いです。
リーダー・エース級人材の退職で企業組織に影響を及ぼす
転職できる人は、社内でも優秀と言われるエース級の人材であることが多く、エース級の人材だからこそ他の会社からも目を付けられがちです。そのような人材が退職すると、他の人にしわ寄せがきたり、士気が下がったりします。さらに、他の人の転職を加速させて連鎖退職を引き起こすことがあります。
連鎖退職の原因
では、連鎖退職の原因として考えられるものは、どういうものがあるのでしょうか?
業務と人間関係の悪化
仕事ができる優秀な人材は、古い会社だと煙たく感じられたり、正しく評価されなかったりすることがあります。いわゆる、打たれる「出る杭」です。企業では、出る杭をうまく使って新しい価値につなげていくチャンスがあるものの、その人材を使いこなす管理職の技量が足りずに、燻ぶらせてしまうことがあります。
また、古い会社だと学閥等の派閥で、正しく評価されていないと思う人も多いのが事実です。ましてや、ゴマすりのうまい人が出世していくのを見ると、頑張っている人は仕事に萎えてしまい、転職に進みやすくなります。そして、同じような考えをしている人が増えてきて、退職が始まり連鎖退職を引き起こしてしまいます。
労働環境の悪化
業績悪化などにより、高い目標設定を押し付けられて職場では成果の取り合いやが発生したり、自分に都合のいいように上司に報告したりする人が出てきます。そして、挙句の果てにパワハラ等が発生し、精神的にも追い詰められることにより、連鎖退職が発生する可能性があります。特にエース級の人材が退職した場合には、そのエース級の人材の業務を、残った人でカバーしなければなりません。そうすると、さらに仕事は厳しくなり、ノルマも増えて更に退職を考える人が増えてきます
より高い待遇を求める社員
単純に他業種と比較をして、自分の会社の給与水準が低いと、「同じ仕事をしているのであれば他の会社に」という人も出てきます。給与水準が低い会社は、業務効率が悪いこともあるため、同じ仕事でも人数が多かったり、意見ばっかり言って纏めるのが困難だったり、責任のないことを言ってくる人が多かったりして、結果として仕事が大変な割に、給料は少ないということが起こります。
それによって、退職をする人が出てくると、そんな方法があることを気づいたように、同じような動きをする人が出て、連鎖退職が発生してしまいます。
社員の自己実現
自分がやりたい仕事を100%させてくれる会社は少ないと思いますが、とはいえ、他に自分がやりたい仕事を募集していたら、気持ちが動いてくることもあります。入社試験では、散々「あなたはこの会社で何をしたい?」と言われて、自分を見つめてやりたいことが見つかり、希望の会社に就職できたはずです。ですが、その会社の中で、結果としてやりたい仕事に就けないことって多々あります。とはいっても、自分のスキルアップにつながるということで我慢していずれと思っても、いつまでたってもやりたい仕事が出来ないこともあります。一方でやりたい仕事を募集している会社があるのを見ると、動いてしまうことも。あなたが、そう考えている姿を同じ会社の人に見せてしまうと、他の人も人生を考え始めて、続けて退職が起こる可能性があり、連鎖退職につながってしまいます。
連鎖退職が起こったら、残った社員はどうすればいいのか?
連鎖退職が発生すると、残った社員は「業務負荷の増加」「士気の低下」「会社への不満」等が発生します。そこで、「自分も転職活動」と思う前に、この連鎖退職を会社がどう捉えているかによって、自分の動き方を変えた方が良いと思います。
中途採用を増加させる
人員が減った分を、中途採用によって補充するという会社は多いと思います。
根本的な問題解決がなされていない可能性有
給与配分や組織をいじり始める
給与配分をいじり始める場合には、ベテランの給与を下げて若い人の給料を増やしていく方法を取る会社があります。また、組織については、「風通しが良くて、意見をしやすい」ということで、部署を結合させたり、分割させたりすることをし始める会社があります。
改善の余地は見えるが悪化する可能性大
一時的に若い人の給料が増えて喜びますが、結果として「長くいても良いことがない」となる可能性が高く、逆に悪化させてしまう可能性があります。また「風通しが良くて意見をしやすい」会社は、一見よさそうですが、権限もない担当者が、好き放題自分勝手に言うこともあります。結果として纏めて事業を進める立場の人は、間に挟まれて纏めきれず悩みを抱えてしまうことがあります。
待遇を変更する
待遇の変更は、全体で変更を行わずに、全体的に上げるという方法に限ります。
一旦、様子を見た方が良いかと思います
給与が原因で辞める人の多い会社では、給与の底上げは良い判断材料になり、少し様子を見てもいいかと思います。それによって、転職をするより残った方が給与的にも有利になることがありますので、一旦様子見するのが良いと思います。
会社の危険信号は、転職を視野に入れていこう
会社が、危険信号の動きをした時に、自分はどうすればいいのでしょうか?
いきなり転職ではなくてまずは相談
いきなり転職をするのは、無謀だと思います。むしろ、他に転職した方が良いのか、残って今の仕事をつづけた方が良いのかを、天秤にかけてみるのが良いと思います。当然のことながら、転職をするかどうか考えているということは、会社へは絶対に言わず行動することが必須です。
転職エージェントで紹介先があるかどうか
他の転職先に良い会社があるかどうかは、一般的な求人サイトでもいいですが「転職エージェント」に登録することをお勧めします。転職エージェントでは、転職にまつわる相談に乗ってくれて、一般的な求人サイトにも掲載されていない求人を紹介してもらうことも可能です。自分の転職市場価値を把握し転職したほうが有利なのか、それとも不利なのかを知ることができます。
まとめ
「企業は人なり」と言いますが、人を最大限に使うためのIT投資や、給与配分や組織づくりを怠っていて、結果高いノルマを押し付けて精神論だけで何とかしようとしている会社が多いのではと感じています。高度経済成長時には、それでも良かったかもしれませんし、愛社精神で現状を打破してきたこともあったかもしれません。
愛社精神は過去の遺物で、それだけで人を引き止めることは不可能ですし、働き甲斐のある給料や権限や環境を用意してくれない会社は、早かれ遅かれ連鎖退職が進んで窮地に追いやられる可能性があります。
社員エンゲージメントの向上という薄い言葉ではなく、働いている人が人を呼ぶような企業にしていくことが、経営者の仕事です。結果としてそのような経営者がいない会社には、長く居続けることによってリスクも高まります。
連鎖退職で、会社は簡単に倒産する可能性もありますので、早めに転職の相談をすることをお勧めします。
転職するなら、転職エージェントですが、おすすめは「キミナラ」でのエージェント紹介。複数の転職エージェントから、あなたに合った転職エージェントをご紹介いただけます。迷っているより、まずはバナーをクリックしてください。