退職したいと上司に伝えたら、少し考えて
給料アップするから、会社に残ってくれ。
と上司から言われた。
大手企業で年功序列が残っているところは、一人の給料を上げてしまうと全体のバランスがおかしくなったり、そもそも給与体系が決められていたりするので、簡単には給料をあげて引き止めることは難しいですが、能力主義の企業や、小規模の企業の場合だと上司や経営者に裁量があり、辞められて人材を探すぐらいだったら、少し給料を上げてでも引き止めたいという気持ちも出てきます。
実際のところ、退職を切り出して給料アップを提示して来る場合というのは、どうなのでしょうか?
企業が給料アップで退職を引き止める理由
まず企業側の目線として、給料で引き止める理由を考えていきましょう。
あなたが辞めた場合のデメリットが大きい
主力になっている社員がやめた場合のデメリットとしては
- 他の人に負担がかるため、残業代なので人件費が上る可能性が高い。または自分の負担が大きくなる
- 次の人の採用をするために、募集などでお金がかかる
- 仕事の情報や取引先との関係が薄くなる可能性がある
- 企業の重要な機密情報をにぎっていて漏洩の危険性がある
辞めることに対してデメリットがある場合は、どちらかというと本人の資質というよりかは、辞めてしまうことで余計にお金がかかってしまうことや、企業の重要な情報を握っているため、辞められるとまずい場合といった、取り巻く環境などが原因と言えるのではと思います。
そうすると、一時しのぎで上げた給料は、企業の経営状況が悪くなった時に給料を下げて戻されるといった、「下げ代」となる可能性が高く、売上の減少、利益の減少、経営環境の悪化などの要因により、元の給与に戻される可能性があります。
退職を引き止めたときも、上司や経営者は、給料を「上げた」というより、「上げてやった」と思っている場合が多いと思います。こっちとしては「残ってやっている」と思いながらも、上司と自分との間で、辞めます→給料をあげますのやり取りを繰り返す可能性もあります。
残った場合のメリットが大きい
つぎに、主力になっている社員が辞めないほうがメリットが大きい例としては
- 主力になっている社員で、十分お金をかけて育てたのでこれからが期待できる
- 能力が高い社員のため、払った給料以上に働いてくれる可能性が高い
今まで十分お金と時間をかけて育てたので、これから企業に利益を与えてくれる可能性があるため、給料を高くしても企業側にメリットがあったり、そもそも能力が高いために、たとえ給料を上げてもそれ以上に働いてくれる可能性があります。
あなたの資質を認めて給料を払うと言ってくれている場合は、嬉しい気持ちになりますよね。ですが、「じゃあ、なんで今まで給料を上げなかったのか?」「退職を切り出さなかったら、給料は上げなかったのか?」という考えも生まれます。
それまで都合よく使っていて、辞めるというと、給料を上げるというのは、便利に使いたいだけでお金でホッペを叩かれているようで、よくよく考えるといいものではありません。
経営者と自分とで利益の奪い合い
経営者は、従業員の給料を上げたとしてもそれに見合って働いてくれるとは思っていないことも多く、できるだけ、給料は安く仕事は多く働かして、稼ぎたいと思っている経営者が多いのも事実です。経営者からすると、社員の給料が増えれば増えるほど、自分の手取りが少なくなりますので、少し理解はできるかと思いますが、従業員側としては納得は行かないと思います。
なぜ退職をするか?
初心に立ち戻って、そもそもなぜあなたは、この会社を退職すると決めたのでしょうか?
- そもそも給料が安かったから
- 仕事がキツイから
- やりたいことがあったから
- この会社にいたくない
- 次の会社に魅力がある
今の会社が、給料が安くて仕事がきつい場合に、会社が給料を上げることも認めたとしても、上げた給料以上に働かされて、更に仕事がきつくなってしまっては本末転倒です。ましてや、簡単に給料を上げるところは、簡単に下げられる可能性も高いと思いますので、慎重な判断が必要になります。
また、今の会社が、給料を上げて退職を引き止めたことを、他の社員が知った場合には、他の社員が「会社を辞める」といって給料の交渉をし始めたら、同じことが繰り返されて、職場が荒れてきます。
そのような状況ではまともに仕事はできませんよね。
まとめ
給料を上げて引き止める上司には、簡単に乗ってはいけません。なぜなら、簡単に上げた給料は簡単に下げられますし、評価をし直して給料を上げるのであれば、それは本来、退職を切り出したタイミングではなく、常日頃出る話になるはずです。
つまり、企業の良いようにされないように、給与と引き換えの残留には応じないほうが得策かと思います。
それでも、退職に応じてくれないときには、「退職代行サービス」をおすすめします。